愛すべき生まれて育ってくサークル

1993年の6月だったような記憶があるんだけど、元フリッパーズギター小沢健二がソロになって、CDの発売前にフリーライブをするらしいよって、働いていた店の女の子に聞いた。整理券を配るって聞いて俺と、その女の子と2人で日比谷公園に朝から行った。

前の日は客のおばさんに全身舐め回されては5回射精させられ、全く寝てなかったんだけど。ラブレスキューにも書いたけど、その夏は杏奈というセフレがいた夏だった。夜が明ける前に、杏奈とも会ってセックスしたので、正直歩くのもしんどかった。

 

一緒に行った女の子は、背が小さくて白いTシャツがよく似合う可愛い子だったよ。髪が金髪で、そういう商売してるけど昼間に見るその子は、ニキビもまだ残る普通の子だった。

 

当日、日比谷野外音楽堂は長蛇の列が出来た。列にいる人達に、赤い紙に粗く印刷された紙が渡された。歌詞カードだった。

まだ曲は誰も聞いたことがなかった。CDが発売前だったし。(当日演奏された曲はCDにはリリースされなかったものもあった)

 

「タイトル未定」と書かれた詞があって、その中身に心がざわついた。

それが後にリリースされたときに、「天使たちのシーン」というタイトルがついていたんだけど、曲より先に読んだこの詞以上に、心がざわついた詞は今まで一つもない。

 

http://j-lyric.net/artist/a0025b2/l011559.html

 

www.youtube.com

 

これが当日の様子。後に映像も発売されたような気がする。ここにいた。

 

実際、歌が上手くないのはフリッパーズギター時代から知っていたし、同世代だった小沢健二はひ弱っぽくて自分を見てるようで切なかったけど、それでもこの一曲を聞けただけでその夜はもうよかった。

ライブの会場は意外といかついやつらがたくさんいたのを覚えてる。小沢健二はその後メジャーになるにつれてイメージが変わってしまい、俺としては興味を失ってしまったけど、この夜の詞はほんと神がかってた。

 

真珠色の雲が散らばってる空に

誰か離した風船が飛んで行くよ

駅に立つ僕や人混みの中何人か

見上げては行方を気にしてる

 

神様を信じる強さを僕に

生きることを諦めてしまわぬように

にぎやかな場所でかかり続ける音楽に

僕はずっと耳を傾けている

 

こんな言葉をいつか自分も紡げるようになったらいいなって、思っていた。

俺の今の毎日のこと、いつか文字にして誰かが読むことになったらいいなとか、そんなことを考えていた。

一緒に行った店の女の子と、その夜はなぜかはしゃいでビールを飲んだ。女の子の部屋で、セックスもしないで眠りに落ちるとき、遠くで踏切が下りる音が聞こえていた。