デフォルトのままの人生

ラブレスキューでも少しだけ書いたし、昔から事あるごとに書いているけど、俺は30歳を越えた頃、極度の貧困状態になった。

理由はいくつかあって、それははっきりしてるんだけどね。

家賃は払えず、車は車検が切れているわガソリンが入ってないわ、放置していたらパンクするわ、電気やガスは止められ、仕事もない。そして借金の額は1000万円を越えていた。毎日借金取りが家に来る、不動産屋が退去してほしいと告げる、裁判所からいろんな書面が届く、さらに食うものがない。

 

食うものがないし、家もないから、結局近所の公園で水を飲んで寝て過ごした。季節は夏だったのでよかったけど、それが冬だったら死んでた。もちろんそれが冬になっても状況は変わらなかったけど、とりあえず屋根があるところにいたから助かった。

 

精神的にはもう死んでたよ。あの頃、色んな人が離れていった。金がないということは色んな人に迷惑をかけるってことだし、そもそもそんな乞食なんか話もしたくないだろう。あの頃は俺も人を避けて生きていた。あまりにも腹が減っていたので、コンビニの駐車場の配送トラックからパンを盗んで食べたりした。

 

あの状況でも唯一と言っていい友達がなつきだった。なつきだって風俗嬢だったし、経済的に苦しいなかで俺を支えてくれた。

でも、俺は状況が劇的に好転することはなくて、ただし、ゆっくりと、ちょっとずつ、色んな人を怒らせたり喧嘩したり恫喝したりしながら、浮上してきたっていうのが正直なところ。

一応ね、なんとか毎日カロリーを摂取できるようになった頃、ようやくまともっぽくなってきた頭で俺は考えた。

 

成功しようって。金持ちになろうって。

 

どうだろう、ここまで聞くと成り上がりストーリーみたく聞こえるだろ?

でも話はそう簡単じゃない。

もちろんホームレス状態だけは抜け出せたけど、相変わらずいつも金がないまま。いや、金はそれなりにあったんだ。でもすごい勢いでなくなっていく。借金の返済、ボロ車の修理、くだらない揉め事、仕事の経費、いろいろ。あっという間に金がなくなり、やっぱり手元には数千円、下手したら数百円しかなかった。

 

そんな頃、こんなことを言う人間がいた。駅で電車を待っていたときのことだ。ホームに立っていると近くでサラリーマン2人が話している。こんな言葉が聞こえた。

「金の問題ならなんとななるもんだよ」

 

ふーんと思った。なんとかならなかったけどな、と思いながら。

でもその言葉をすぐあとで思い出すことになった。

乗っていたVWゴルフの自動車税の請求が来る春に、俺はやっぱり金がなかった。どうしたら4万円の税金が払えるのか検討もつかず、限界まで放置しておくことにした。そのまま督促が来ても無視し、年を越した頃、県税事務所の職員が俺の部屋に来て「払わないと差し押さえになるから払って」と言ったんだ。

そうかと思ったけど、金はない。でもね、そういう時に限って、臨時収入があったんだ。かなり前に集金していなかった売掛金が5万円、突然入金されたんだよね。それでなんとか期日までに払った。延滞金も払って残りの数千円は、あっけなく食費に消えた。

「これが、なんとななるってやつか」と俺は思ったよ。

 

その後もそんなことが続いた。不思議なもので、仕事でこれがなかったら信用を失うとか、これがなかったらこの取引がなくなるっていうタイミングで、必要な金が入ってくる。しかもちょうどピッタリの金額が。

これが運ってやつなのかなって、俺は思ったけどね。

 

それは勘違いだった。

 

貧乏の原因ってそこにあるんだってことがずっと後になって分かった。昔ね、テレビで子沢山の貧乏な夫婦のドキュメンタリーやってたんだよ。有名なやつ。めちゃくちゃなおっさんが子供振り回すやつな。嫁が下品なヤンキーで。

そのおっさんがね、言ってた。臨時収入がタイミング良く入るって。「俺っていつもこうなんだよなー」ってちょっと自慢気に言っていたのを覚えてる。

 

ああ、そうかと思った。

 

だから貧乏なんだ、って。

 

俺もまんま同じだったから分かる。あれは運じゃない。全部、理にかなったものなんだよ。

 

どういうことかって言うとね、格言じみて言うけど・・・

「人は、自分が想定した範囲の人生にしかならない」ってことなんだ。

 

人の人生って、自分の思った通りの人生になれるよ。この日本に住んでいる以上は。ただし、それ以上もそれ以下もない。自分が想定した人生が、想定したとおりに実現される。

昔の俺は、自動車税をギリギリ払えてなんとか食えるしょぼい人生、ってやつが俺の想定した人生だったんだろう。

だから、神様かなにかがしっかり見ていて、ちょうど辻褄が合うように調整してくれてる。でも実際は自分が無意識レベルの選択で、そのレベルの人生になるように微調整してるんだろうけど。その無意識レベルの意識を、言い方変えれば「神」とも言える(笑)

 

これはエロでも同じだ。

なんで俺は童貞のままなんだろうとか、なんでわたしは彼氏もいないまま40歳なんだろうとか、セフレが1人も見つからないとか、正常位以外したことないよとか、そういうのって、自分が想定した範囲だってことだよね。自分が無意識に選択してる。

 

俺がそこそこ伸びるようになったのは、目標の持ち方を工夫してから。

いくら目標を書いたり、読んだりしていても、全く実現しないときが数年続いたんだよね。でもそれは当たり前で、俺はその目標通りの人生を、本当に想定してなかったからだ。

 

目標を書いた紙をいつも眺めていると、その文字や写真はいずれ模様に成り下がってしまう。

でも自分が本当に実現したいレベルのことを、強烈に自分の中に落とし込んでいく作業ができれば、そのレベルでちょうど辻褄が合う人生になるよ。

 

言っとくけど、それめちゃくちゃ難しいから。自分の中の潜在意識なんてそう変わらないから。何もメルヘンなこと言ってるんじゃないよ。潜在意識の目標の想定をもっと広げるって、なんか変なセミナーとか怪しげな講師がやってくれるものじゃないんだ。自分で自分の想定を押し広げていかなきゃならない。

これね、やれば分かるけど、自分の想定って形状記憶だから。すぐ元に戻る。形状記憶合金の記憶を変更するって、どうよ。ありえんのそれ。ありえないよ普通。自分の中のデフォルトを設定変更するんだよ。

 

どんなプログラミング知識があれば設定変えられるんだろうなって、何年も何年も悩んだ。設定変更しないうちは、自動車税の支払いに困るのは変わらない(笑)

 

これが受験生なら何年浪人しても同じ結果になるし

風俗嬢なら売上も変わらずただ年だけ取るし

営業マンなら毎年同じ売上しか出せないし

社長でもやっぱり毎年同じ利益しか残せない。

 

デフォルトの設定変更の仕方ってね、実はあるんだよ。

 

それはまた違う機会に話すとします。