正論を言う人間は、実害が出る前に早めに潰しておけ

ほんの15年ほど前のこと。田舎町で風俗店の仕事をしていた俺は、実は昼は昼でお堅い仕事もしていた。朝7時前に出社して夜21時くらいまでは必ず事務所で仕事をし、その後深夜4時までは風俗店。もちろんもっと早く帰る日もあったけど、寝るのは早くて4時半だった。睡眠時間は一時間半。眠るときには女が俺の名前を呼ぶ声が頭の中でこだまし、そして朝起き上がるときには、脳の奥の方でホノグラムのように女達がタムロしている姿が大勢見えた。

俺は脳がずっと腫れている感じがしていた。疲れていたんだろう。シャワーを浴びながら立って眠っていたこともある。

 

なぜそこまで働くのかって、当たり前の話で金が必要だったからだ。

金が必要だったけど、その過酷な毎日のせいで絶えず苛ついていた。

昼の仕事と、夜の風俗店の仕事を掛け持ちしていると、俺は昼の仕事で出会う奴らのほうにはるかにムカついていた。なんでこんなに風俗嬢以下のクズが揃いも揃って、生産性ゼロのくせにのさばってるんだろうと思った。

 

昼の世界と、夜の世界。2つを毎日行き来していると、昼の世界はいつもコントのように見えたよ。立派な服を来て、立派な肩書を持った人間が、すっとぼけたことを言う。眉間にしわを寄せて指示を出すお偉いさんは、これまたネタかと思うほど破壊力抜群の判断力をお持ちだったり。それ、風俗嬢でもしねえよっていうくらい、汚らしい不倫劇に酔う男女もたくさんいた。

夜の世界ならそういうの5分で解決してないとぶん殴るけどなっていうことを、会議を何回もして理屈こね回して、3ヶ月もかけて、結果やらないことで決着、みたいなね。

随分暇だねと思った。

 

そんな中でね、こういう人種って今後増えていくんだろうなって思ったことがあった。15年前のことだよ。

 

それはね、「正論をひけらかすように主張する無能な弱虫」っていう人種。

 

人は、無能であればあるほど、自分にコンプレックスがあるもんだよね。でもそれだけじゃない。無能な人間は必ず嫉妬する。嫉妬するから上手くやっている人間の脚を引っ張りたい。その時に持ち出すのは「正論」だ。

優秀な人間ほど、基本通りの仕事はしない。クリエイティビティに溢れているので、いろんな斬新な方法を試している。もちろん、グレーゾーンも渡っていく。その行動の本質を、無能な人間は理解できない。

だから、正論で攻撃しようとする。

「そんなことするのはダメって研修で習いました」っていう幼稚な論理を持ち出して脚を引っ張ろうとする。

 

正論っていうのは便利だ。正論と原則論って、無能な人間のレベルを均一化するためにある最小公約数にすぎないんだってこと、本当の弱者は気づいていない。正論っていう聖書はどこにもないのに、あると信じてるんだよ。

それ、おじいちゃんの価値観だよね、それ、おかあさんの価値観だよね、それ、お前の実家の価値観だよね、それ、お前の出身のクソ田舎の価値観だよね、っていうだけのことを「正論」だと思い込んでるだけ。

無能な人間が集まる場所ほど、正論に従うのが安全だと思い込む。

聞いたことはないだろうか。アイデア出すするような会議の場で、弱虫が正論を言い出すと、誰かが「そうだ、基本の戻ってシンプルに考えよう」と言い出す光景。

その会議はもう破綻してしまい、アイデアなんか出てこない。

勉強が出来ない子が集まって考える「運動会のスローガン」みたいなものだよ。

結局、先生が喜ぶような言葉に落ち着くだろ?

弱者達が正論で説明が出来る最小公約数を探してるだけだから。

 

何も仕事の話だけじゃない。

 

「なんでサッカーを見たらゴミを拾って帰るか知ってるか?」という質問をされたら、あなたは何て言う?

 

弱者はこう言うよ。

「自分たちが楽しんだ後で自分で掃除するのがマナーだから、ですか?」

はいでました正論。「だからみんなでゴミ袋持参しましょうね」とか言うんだろう。

 

でも実際は違うだろ。色んな意見があっていい。

 

「は?ゴミ?片付けるわけねえよ。」があっていい。

「ゴミを拾って帰るのは当たり前じゃねえし」って意見があってもいい。

「ゴミを片付ける人の仕事を奪う傲慢な行動だろ」って意見もあるよね。

「自分が飲み食いしたものしか持ち帰らねえよ」でもいい。

 

それを無能な人間は言う。「だって、ゴミは片付けましょうって先生に習いました!」って。そして他の無能な集団が同調する。「そうだ、その通りだ、シンプルにみんなで片付けるってことにしましょう」

 

結果、ゴミは業者の仕事であるっていう意見は悪とされていく。

 

この世の中で、いろんな人の多様性を認めないのは、昼の仕事の会社と、学生の群れ、主婦の群れ、だよ。無能とは言い過ぎかもしれないが、正論で見を守ろうとする人間が多いと思う。

 

逆に、夜の世界には正論は一切通用しなかった。俺の店では正論を通用させなかった。

とくに、「世間一般的に」っていう価値判断で物を喋ってくる人間は、人格全否定しながら泣くまで責め続けた。

世間一般的に、風俗嬢は蔑まれている。→お前と世間は関係ない。

世間一般的に、給料が歩合制なのはギモンです。→風俗業と世間は無関係。

世間では、アキラさんは暴力的な人間だと言われてます。→その世間を俺の前に連れてこい。

世間の他の店では、こういうことを禁止するのはどうかと思います。→どの店のことで、誰が「どうか」をジャッジするのが論理的に俺に説明してみろ。

 

基本的に、俺の店では俺がボスであり、俺がリーダーだ。俺以外の世間も常識も、一切関係ない。俺とお前のタイマンの関係性しか問題じゃない。

それが理解できない馬鹿は、「世間一般的」な場所で生きていけばいい。昼の世界になら沢山ある。馬鹿でも威張り腐って生きていける安全な場所があるよ。

 

優秀な人間は全員、自分の価値判断はあくまで自分が基準だった。

自分と、自分以外の世界という2つしかなかった。

誰がどうした、誰が何を言ってる、誰がそれはおかしいと言った、そんなことで自分の判断を変えるような人間はのんびり大学生でもやっていればいい。のんびりサラリーマンでもやっていればいい。

 

優秀な人間は、自分の目標と戦っている。

自分自身と、世界の2つしか世界がない。自分自身の身体と脳みそを引っさげてサバイバルするのは、世界。

ということは、自分の脳味噌以外に頼れるものはない。正論なんかじゃ身を守れないのを知ってる。

 

正論ばかり言う人間は、戦う人間でもないし、まして優秀な人間でもない。

無視しといたほうが楽でいいんだが、結構害がある人間なんで、早めにぶっ潰しておいたほうがいい。

無能なんで潰すのは簡単だ。