貧乏のスパイラルの設計図

仕事柄、毎年250人の人間と、着座して毎回90分の話をしている。商談とかではなく、ひたすら会話をするという特殊な仕事。その人の人生の喜びや、不安、理想みたいな心の奥底に沈んでいるものを、俺が会話しながら解き明かしていく。

俺に予約を入れるのは年齢も年収も様々。20歳の女性もいれば、65歳の男性もいる。単身で来る人もいるし、夫婦やカップルで来る人もいる。数か月前から予約して来てくれる人もいるし、誰かに紹介されてしぶしぶ来る人もいる。半信半疑の人もいるし、期待感いっぱいで来る人もいるよ。

一週間あたり、5人から7人くらい。今までに会ったのは3400人くらい。ぽっきいじゃないからセックスはしない(笑)でも他人の人生に深く潜っていく作業は、セックスよりもしんどい。

 

そんな中で、俺は面白いことに色々気づくよ。世の中の常識とは全然違うんだなってことに気づく。

 

この世の中には、不幸の形は数種類しかないようだよ。自分が不幸だと思ってる人はみんな、自分の不幸は世界で唯一で史上初のオリジナルな不幸だと思いたがるけど、なんてことない、同じ状況にいて同じトラブルがあって同じことを言い同じように信用をなくして同じような人生を辿る(笑)その種類はせいぜい、3種類かな。不幸の形の原型は3パターンしかないってことね。

 

一番大きなパターンは、こう。

 

自論に依存する。自分の納得に依存する。

 

男性、年収で言えば200万円台~400万円台、年齢は30歳から40代前半、既婚、子供が2人から3人、学歴は高卒か二流以下の大学卒、当然ながら借金が多い。妻はデブかブス、または両方。そして妻は専業主婦か低賃金のパート勤務。夫婦仲は馴れ合いで仲がよく見えることもあるし、あからさまに冷え切ってることも多い。

そして、人生がうまくいってない。

 

こういう中年男性の多くは、自論に依存してるんだよね。たとえばさ、こんな言い方をする人間が近くにいるんじゃない?

「俺は、勉強なんかやっても人生に役に立たないと思った。だから高校は途中で辞めた。働いたほうがずっと勉強になる!」

・・・じゃあ、随分勉強したのに多重債務に陥って色んな人の信用なくしてるのはなんで?なんで家賃も滞納してるの?って突っ込みたくもなる。

 

またはこう。妻が言う。

「うちの旦那は頭がいいから、車買うときも見積もりを取り寄せて比較して研究して、値引きを交渉して、一番納得がいくものを買うんです。車を買うたびにすぐに結論出さないで車屋を20カ所は回るんです」

・・・自分の旦那は典型的な貧乏人の甲斐性なしだと猛アピールしてどうするんだよ。

 

自分の納得や、自分の理屈に依存する人間は、間違いなく能力が低い。サバイバル能力も貧相。社会的な評価もほとんどない。多くは低所得。

でも自分の納得と理屈を過大評価しているから、現実とのギャップにストレスを感じる。

だから、性格が暗くなり、攻撃的になる。誰か標的を作って悪口を言う。尊大な態度を取りながらも自信がないから過激な発言や行動をして世間から評価されたがる。

でも家族ですら評価も尊敬もしていない。

それを自己愛性人格障害って言うんだよな。

 

低所得者にものすごく多いのがこの性格。性格というか人格かな。そりゃ金を持つなんて無理だろーって思う。思い通りの人生はならねえだろって。

 

簡単に言えば、自分の納得に依存するのは、勉強してないから。努力してないから。本気で目標を叶えようと思ってないから。それよりも自分のちいさなプライドを可愛がって満足してるから。

だから貧乏になるのも当たり前でしょ。

 

残念だけど、そういう人に俺も役に立つことは難しい。出来るとしたら、その大切なプライドを持ち上げて何か物を買わせてやるくらい。でもそれをするための金もない。

 

だから、まともな人は離れていく。そしてもっと人生が苦しくなる。

 

貧乏のスパイラルってこんな感じなんだよね。

俺もそうだったからすごく分かる。切ないくらい。