シンクロだけが本質を引き寄せる

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二昔前くらいに、「コーチング」っていうものが流行った時代がある。

今ではもういかがわしい詐欺的なものとして認識している人が多いと思うけどね。

Wikipediaによれば、コーチングとはこんなものらしい。

 

人材開発の技法の一つ。 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術である。 相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。」

 

分かりやすく言うと、「コーチ」さんが、「カモ」に対して、質問をすることで「カモ」は自発的に気づきを得て、目標達成へ向かって自己を変革するようになる、みたいなもんかな。

まあ、ファンタジーだわ。お坊ちゃんお嬢ちゃん同士のママゴトみたいなもんだ。

結論として、コーチングに本気でハマった人間はたいてい人間関係を破綻させ、心底嫌われることになるんだけどね。怒った相手に胸ぐら掴まれてる「コーチ」さんを俺も何度か見たことがあるほどだ。

 

そんなコーチングでは、「質問」が大切だと言われていて。相手に質問を投げかけることで、相手の頭の中の思考の塊がほぐれ、新しい角度から考えられるようになるということらしい。コーチは相手の背景を理解することができ、相手は気づきを得て目標を達成できるようになると。

書いていて身体が痒くなりそうだ。キモチワルイ。

 

この2018年でも、未だにこの「質問」に価値があると信じているポンコツコンサル気取りがいるようで。

つまりね、「なぜ?」という質問を何回も繰り返すと、相手の課題と解の質を高められると信じているようなんだよね。

なぜ、それをしたいのか?

なぜ、そう思うのか?

なぜ、それが必要だと思ったのか?

なぜ、それに障害があるのか?

なぜ、そう考えたのか?

みたいなもんだよ。

質問をすることで相手の背景を知り、相手は考えを深めていき気づきを得るんだって。

ガリ勉優等生君の平和ボケもいい加減にしろよと、怒りすらわいてくる。

それは、自分と相手が同じ価値観で、同じ文化で、同じ目標を持っている場合にしか通用しないと思うよ。しかも「質問するぞ~」君と、「質問されちゃうぞ~」ちゃんの予定調和のママゴトでしかない。

 

まあ、コーチングもコンサルも俺は一切興味はないし、価値を感じていないからどうでもいいけどさ。

そもそも、コミュニケーション能力の問題として、相手と理解したり、相手に何か変容を促すってどういうことなんだろね?どういう能力が必要なんだろうね?

 

俺が先に言いたいのはこうだよ。

相手を理解したかったら、「なぜ?」は使うな、ということ。

 

例えば、俺が長いこといた夜の世界の話。

時代的なものもあって、そこは決してカジュアルな世界ではなかった。何処かからやってきて、その街にいつくようになり、そこでパンツを脱いだり、パンツを脱ぐ人間のお世話をしたりして日銭で生きるようになったわけ。夜光蟲のように暗くなると陰からもそもそ現れてきて、日が昇る前にもそもそ消えていく。便所コオロギのように便所がお似合いなんだ。

そこにはもちろん不良も多かったけど、不良でもない人間もたくさんいた。でも何かしら物語がある。誰にでも。生まれ落ちる前から物語を抱えて、18歳や20歳でそこにやってきたんだ。

その街でサバイバルするために大切だったのは、他人に無断で興味を持たない、という絶対ルール。

なぜこの街にいるのか?なぜこの街でパンツを脱いでるのか?なぜ髪の毛の色はそれなのか?なぜ不自然な名前をしているのか?なぜそんなメシの食い方をしているのか?なぜそんな女と関わるのか?

すべての「なぜ?」はタブーだった。もちろん他人に興味がないわけじゃ絶対ない。隣に座っている女の足の指が一本ないのはなぜか、俺だって気になる。なぜ、片目を髪で隠すのか、本当に気になる。ちらっと見えた手帳に、なぜハングルで文字を書くのか、知りたい。なぜ日本語が片言なのか、なぜそんなにカネカネしつこいのか、なぜそんな年上の男とばかりセックスするのか、なぜカップ麺に水を入れて食うのか。

でももちろん質問などしない。

じゃあ、無関心でいいかというとそういうわけにもいかない。相手を信用していなかったら、そいつが手渡ししてきた握り飯一個、食うのは怖いよな。仕事なんか出来ない。信用するためには、相手のことを多少理解していないと、とてもじゃないができないわけだ。

 

でもさ、「なぜこの街にいるの?」って質問したとしたら、間違いなく鼻の下を目がけて拳が飛んで来る。そして真っ赤な噴水のように拭き上げて星の見えない四角い夜空を見上げることになる。(何度も経験ある)

 

クソみてえな奴らが集まる場所で、クソが集まって金儲けをする「仕事」をするとき、相手を理解したり、一応信用できるほどの情報を手に入れるために必要なものは?

ガキだった俺がそこで学んだのは、絶対に「質問」ではないということだった。命がけでコミュニケーションをしている場所では、質問はタブーなんだ。

その街では、質問をしないで相手を理解するスキルを身につけることが、生き残るための最低限のマナ-だと身を持って教えられた。

 

じゃあ、質問をしないでどうやって相手を理解したり、相手と気づきを得るような関係を築けるのかってことなんだけど。

それは難しい言葉だけど、「如実知見」というものが大切なんだよね。たぶん仏教用語だと思う。ありのままで観る、ということかな。ありのままの相手を捉えるというか。ありのままの相手を観るんだから、質問なんか必要ない。自分の解釈や自分のエロいゴールセッティングは排除して、ありのままを観ること。

断っておくけど、勝手に興味は持たないんだよ。勝手に興味を持たないことが大切なんだが、無関心ではないということだね。

 

如実知見でありのままを観ることができたら、相手にたいする質問って変わるんだよ。それは「なぜ?」じゃなく、「なにを」っていう言い方になる。

例えば子供が皿を割ったとするよ。母親がこう言うだろう。

「なぜ皿を割ったの!謝りなさい!」ってね。なぜの後には必ず叱責が続くのが日本人なんだ。

一方こう言うのがいいと思ってる教師は多い。

「皿を割ったのか、何がしたかったの?」

それに対しては多少は説明をしたくなるかもね。その後には多くの場合、許しがある。日本人はね。まあ、何をっていうのは悪くはない。

でも実際はそれでも不十分で、本当は過ちをした事じたいに触れないことが重要だと思うよ。ありのままを観ていると、皿を割ったという現象を認識するだけになるよね。

「皿を割った」というような現象を共有するだけの時間を長く続けていくんだよ。

 

実はこのことが信用を得ていく。これが絶対的なベースになるもの。

そのうえで、次に大切なのが、「たやすく言語化しない」ということ。

優等生はこう言うかもしれない。

「皿を割ったのはいいとして、繰り返さないためには何が必要だろう?」

・・・うるせえよってぶん殴りたくなる。んな嫌味言うなよって言いたくなる。

皿を割ったという言葉に変換しないこと。言語化というか、ロジカルシンキングごっこが好きな優等生は、バーバル信者なのでなんでも言葉にする。言葉の力を軽く見ているからだろう。

 

如実知見、言語化しない、そのことを続けていって何があるのって苛立つ人は多い。でもそれが一番の近道でさ、そんな先でもない頃に、相手からぽつりと言葉が出てくる。

「母親の手伝いがしたいんだよね」

つまり、皿を割ったのは、母親の手伝いがしたかったから。それで慣れないことをして失敗したというのが本質だったわけだよね。もっと言えば、母親が不機嫌そうな顔をしていたから、お手伝いをして機嫌を取ろうとしたということも見えてくる。

「ああ、それで皿割ったんかー、失敗しちゃったね」

そして初めて提案すればいいよ。

「おかあさんありがとうって手紙書いたらいいじゃん」

なにも慣れない皿洗いなんかしなくても。

きっと、一番したかったことに気づけるし、こちらもそれに気づけるわけ。ここまで理解するのに、質問は一度もない。

 

これさ、誤解してほしくないんだけど、反省を引き出すためのテクニックとかじゃないし、美談チックなクソ話ではないよ。そういう教師的な、優等生的な発想は何の役にも立たない。

ありのままを見て、言葉にしない。その時間の積み重ねが、バーバルを越えた理解を引き寄せるわけ。

 

なぜ?を10回繰り返しても、解の質どころか、本質にかすりもしない。

それより相手に「なんて言ったらこいつ気持ちいいんだよ?」って思われて終わるね。機嫌が悪ければぶん殴られるわけで。

相手を理解したいと思ったとしたら、相手には、息を止めて潜っていくようにシンクロしていくもんなんだ。夜の世界で生き残れるやつは、ここが出来る人間ばかりだと思う。

売れまくる営業マンやホストやキャバ嬢もそうだね。

シンクロしてくる人間がそばにいるとき、人は光が溢れるように気づきを得るようになるもんだ。シンクロしてくる彼女や、彼氏、夫や妻に恵まれた人は、結果を出すことが多いよ。シンクロが出来る女のことを「あげまん」と呼ぶこともあるしね。

 

そのシンクロにあえて名前をつけるとしたら、、、なんだろうね、共感とか?共時性とか?全然違う気がする。きっとそのシンクロにすら名前をつけてはいけないのかもしれない。

 

コーチングも、コンサルも、カウンセリングも、俺に言わせりゃ優等生のママゴト。

本気でサバイバルをしていきたかったら、相手を理解するためにまずすべきは、自分の解釈を捨てて如実知見することだね。

童貞が分不相応なセックステクニックを考えてるから、エッチなお姉さんに馬鹿にされるのと同じだ。童貞がセックスしたかったら、女に勝手に興味を持つな。ありのままの人間関係を見つめ、いつも笑顔でいたら、そのうち女は受け入れてくれる。

それと似てると思うんだけどね。

 

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