人をとっ捕まえて、見つけるのは新しいフレーズ

性格が悪いのか、俺の脳味噌の障害のせいなのか、俺は「相談を受ける」ということが想像以上に苦手みたいです。

 

例えばビジネスに関することで、後輩に仕事を教えたりすることも結構あるんだけど、教える以上に「相談」の類を持ちかけてくる人が多いような気がする。

その多くは、内面のこととか、心のありようについてなんだよね。

 

例えば、大きい夢を抱えてビジネスを始めたけれど、なかなか上手くいかない。結果が出せないだけではなく、結果に繋がる商談とか仕込みの行動量も増やすことができない。フリーランスの人間としては、このままでは近い将来に廃業するか続けるかの選択を迫られることになる。そんな状況。

すると、相談をしてくる人がかなりいる。もしかしたら女性のほうがやや多いかもしれない。

 

俺は快く「相談」に乗ろうとする。

が、話の内容はなにか雰囲気がおかしい。たいていこんなことを言う。

 

収入が減っているという現状

仕事を受注できないという現状

家族や彼氏・彼女から反対されているという現状

現状に問題が多すぎて仕事に集中できないという現状

そして、知人の会社から転職をして入社しないかと誘われているという状況。

または、彼氏に結婚してほしいと言われているという状況。

でも、今のこのビジネスは辞めたくないという状況。

 

うーん。と俺は心の中で困ってしまう。いや、分かるよ。気持ちは分かる。俺もそうだったし、むしろもっとうだつが上がらず人生負けていたから、分かる。

でもさ、俺は思うわけ。

この「相談」とやらに、「うんうん、分かるよ」とか言う優しい先輩が世の中にはいるだろうなと。そんな先輩だったら、きっと分かってくれて嬉しいです!とか言いながら酒を飲み交わすこともできるだろう。そして、「元気が出ました!」とか言って、「辞めるの辞めました」って話になって家に帰って寝るんだろう。

 

性格の悪い俺はそうできない。俺は思うんだよ。

「”うん、わかるよ”って他人から言ってもらえる相談事をして、お前恥ずかしくないのか」って(笑)

 

いやいや、困った時に気持ちの支えが欲しいのは本当によく分かる。でもそれによって、どうなるの。元気出ました!って家に帰って風呂入って寝て、朝起きたら何も変わらない現実があるだけだろ。

そのうち、その「相談」もしなくなり、勝手に辞めることするだろ?文字通り、勝手に。

「退職のご挨拶をしたい」とかメールで寄越して、アポを取ろうとしてくるだろうよ。いや、いらねえしな。というかこの前「相談」に乗った時間を返せと言いたい(笑)

 

性格悪いんでしょうか。

 

でも俺だとしたらどうだっただろうか。確かに同じように気持の支えを欲しがっていたガキの時代があったと思う。その先はホームレスに繋がっていく奈落の道だったよ。

そこからなんとか復活していく道に戻ってきてからは、他人に相談することって本当になくなった。基本的に他人に相談はしないと決めてる。

 

相談するときは、極めて実務的なことを質問するだけだよ。だから相談じゃなく、「質問」なわけ。

今も仕事で上手くいかない現象が起きたら、その理由をひたすら考えて、言葉に落とし込むまでノートに記録してる。どうしたら上手くいくのか、どうしたら改善できるのか、まるで研究者のように每日、その日のうちに言語化しようとしてる。

必要な勉強や情報は、ネットや本や研修資料なんかを掘り返して見つけようとしているが、どうしても答えが出ない課題もある。

その時だけ、ヒントがありそうな人に「質問」するために、丁重にアポをお願いしてる。

 

でもそれってさ、いくら俺が実務家だとしても、質問も相談も他人の時間とエネルギーを奪う行為なんだよね。めちゃくちゃ申し訳ないなと思ってる。当然。

 

だから人をとっ捕まえて質問や相談をするときには最低限のマナーが必要だと思うんだよね。

一つは、相談することで、その相手にメリットがあること。

もう一つは、相談するからにはリタイアしないと絶対に誓うこと。

 

メリットって何かと言うと、謝礼も一つなんだろうけど、それ以上に相手のビジネスにも継続的にプラスになる情報や状況を手土産に持っていくことだよ。

これがないと、ちょっと俺は人の時間をもらうことには抵抗がある。

あとは、もちろん、いくらメリットがあったとしても相談しておいて辞めましたは論外だと思うので、諦め半分だったらそのまま死んだほうがいいとも思ってる。

 

相手から実務的なヒントをいただこうと質問するわけだけど、俺の場合は、一番大事なのは実務処理のスキルではなく、「言葉」だと思うよ。

 

この行き詰まったモヤモヤした部分を、新しい言葉、新しいフレーズにバシッと言語化してくれたらどんなに最高だろうと思うわけ。

ああそうか、そういう感じでいいんだ、っていう。それがいわゆる気付きっていうやつだよね。

ちなみに「気付きをもらう」っていうフレーズだってもう陳腐過ぎて、もっと新しいフレーズで表現されたら、気付きも深まっていくと思うよ。

もっと言えば、相談や質問をすることで相手の中でも言語化が進み、相手にも新しいフレーズが生まれるのなら、それもメリットになるんだよ。

本当に優秀なやつから相談を受けると、俺のほうが思考が深まったり理解が深まったりする。

 

優秀な人間の相談は、自分にも相手にも「インプット」を与えるものなんだよ。

 

それが、相手から「うんうん分かるよ」と言われて慰められたり励まされたりするなんて、俺は恥ずかしい行為だと思う。

そんな相談なんて、自分の中の老廃物を「アウトプット」する行為だよね。

要するに、うんこ。人をとっ捕まえてウンコしてみせて、それ食えって話。自分のウンコをアウトプットして、相手にそれをインプットしろと。

 

違う。相手にとってインプットにならない相談や質問は、全てうんこ。

 

自分がインプットを続けている人間しか、他人に相談してはならないのはこんな理由。