やりたいことを探している場合じゃない

Twitterでも何度か書いたけど、俺は元々は夜の世界の出身です。時代が時代だったので今とは違うが、18歳の頃から当時アジアで最も猥雑な街に居場所を見つけて小銭を稼ぐようになった。

青森の八戸っていう港町からオドオドしながら上京してきたガキだったわりに、エロの仕事では下積み時代は一切なかった。最初から売上を出したし、失敗らしい失敗もしたことがない。もちろん努力は死ぬほどしたけど、食うに困るような緊急事態の中で努力したことはなかった。

普通は、ド田舎から東京の魔界みたいなところに放り出されたんだから、うだつが上がらなくてもコツコツ頑張ろうって考えると思うんだ。でもどういうわけか、上手くやれる気がしないのに、すべてのことが上手くいった。

まあ、本当はうだつが上がってなかったのかもしれない。自分ではそうは思わなかったわけ。

 

俺は高校卒業まで地元のスーパーでバイトをするくらいしかやったことがないし、勉強はまるでダメだった。スポーツだけは某団体競技で強豪チームでレギュラーになれたのに2度も骨折して終了した。何にしても、上手くいったという経験がなかった。だけどエロの世界は、自分で言うのも何だけど、謙遜して言っても才能があるとしか思えなかった。才能というのが不適切だとするなら、宿命みたいなものだと思った。

上手くいくしかないんだから、真面目に努力しろ、そういう感覚だった。

 

いつの時代も、困った時に自分の身を助けたり、大切にしている女を助けるために必要になるのはこのエロの世界なんだよね。いや、情けない話なのは分かってるけど。金のないガキの俺を食わせてくれるのもエロなら、金に困った女を助ける金を稼ぐのもこのエロの仕事。

その仕事が好きかと言えば、はっきりと好きではないと言える。仕事自体も、そこにいる人間も、そもそも俺は朝日を見るのが死ぬほど嫌いなんだ。夜が明ける朝日を見ると死にたくなる。

それでも上手くいくんだから、人の能力ってわからないもんだ。好きこそものの上手なれなんていうのは半分ウソだ。好きじゃなくても上手になれる。それしかなければやるしかないし、上手くやれるならそのうち好きな気もしてくる。錯覚なんだけどね。

愛情はなくても、愛着くらいはわく、そんな感じ。

 

でも俺も一時期結婚しようと思っていたので、エロの仕事ではなく本業を持とうと努力してきた。22歳でサラリーマンにもなったし、自営業としてお硬い仕事で結果を出そうともした。

でも、残念ながらね。そこそこ上手くいく、位にしかならないんだ。今のビジネスも7年間食えなかった。食えないっていうのは文字通りカロリーが摂取できないんだよ。金がないから。カネがないからガソリンも入れられない、だから仕事が自由にできない、仕事の経費が捻出できないからとにかく何もかもが不便で不自由。

ここまで才能がないもんかと惨めな気持ちになった。

職業選択を間違えていると何度も思ったよ。今も思ってる。

 

そういう時、日本人は好んで使う言葉があるよね。

「コツコツ、がんばる」

「成功するまで諦めない」

「頑張っていると誰かが見てくれている」

 

それは間違いなく真実だけど、そこに依存できるほど頼りがいのある真実ではない。

 

コツコツやっていけば、必ず成功するんだっていう励ましというか、慰めというか。

これもね、半分は本当なんだけど、半分はウソなんだよね。

 

結論から言えば、コツコツ頑張ることと、成功することとは、直接の因果関係はない。成功するまで諦めなければいつかは成功するなんていうのも大嘘で、人間には集中力と体力を持って取り組める生物的な限界があるんだから。成功する前に老いて死ぬわって。老いる前に社会的に死ぬわって。

 

コツコツ頑張って上手く行くっていうのは、それはある程度軌道に乗せられた凡人が、さらにスキルアップして上を目指していくときの研究の姿勢のことに過ぎないよ。ゼロスタートから10までにコツコツなんて考えていれば、俺みたいに7年も食えない惨めな人生になる。100のうち20くらいまでは余裕でうまく行かせられた人が、80くらいになれるように努力するのなら、コツコツっていいと思う。

 

だからはっきり言うと、今この現在に、食えないほど上手く行ってないならその道は抜本的に見直したほうがいい。辞めるってことも考えながら。

そして、いつか起業するとか、今じゃないけど将来なにか始めるとか思っている人は、今この瞬間に諦めたほうがいい。

 

上手くいくものは、この瞬間に上手くいく。

今すぐ始める才能がなければ、将来やってもどうせ上手くいかない。

スタートのために準備が必要だと少しでも考えているなら、それは絶対に上手くいかないから今すぐ諦めたほうがいいよね。

 

準備よりもスタートのほうが先で、戦略や戦術もスタートの後で用意してもいいと思う。スタートした後で研究を重ねてもっと高みに登っていけばいいわけ。

少なくとも、スタートのまえに準備や戦略をこねくり回してるなら、失敗して自殺する前に大人しく今のままの人生でいたほうがいい。

怖くて自身がないから準備したいんだろ。その時点で才能はないわな。苦労する。必ず。自分だけじゃなく、家族に苦労かけさせ、友達には迷惑をかける。

 

俺の自身の反省も込めて言うんだけど、下積みが長くなっているなら早いところ諦めたほうがいい。そこから幸運が降ってくることは万が一の確率だから。俺自身が7年の下積みを抜けられたのは、正直幸運があったからだし、その間に俺を食わせてくれたのはやっぱりエロの副業だったんだよね。

コツコツやったから上手く行ったんじゃなくて、上手く行き始めたからコツコツ頑張ったんだよ。

 

でもさ、成功した人ってそうは言わないよ。みんな過去の努力を武勇伝にしたがる。美談にしたがる。

そう言うと必ず怒るんだけど(笑)

アキラにしても、努力してエロの仕事を軌道に乗せた、なんて武勇伝言い始めたらそりゃ大嘘だわ。俺には天賦の才能があり、宿命が味方をしてくれて、ありとあらゆる幸運が俺に降り注いだわけだから。

 

いま就活をしている大学生とかね、よくやりたいことを見つけるとか言うじゃない。

それはやめとけ。

やりたいことではなく、自分に出来ること、自分でも才能があることを早いとこ見つけて、好きじゃないことでもそこを居場所にしたほうが人生はうまくいく。

 

俺の知り合いには、40歳まで中学校教師をしていたけど家業の運送会社を継いで親の代よりはるかに成功させた人もいるし、大学受験を何度も失敗してから暇つぶしで始めたネットビジネスで億万長者状態の人もいるよ。

公務員だから商売はできないとかウソだし、大学受験に失敗したから人生は落伍するっていうのもウソでしょ。

自分がやれること、才能があることは、誰しもある。そこを見つけるのが努力っていやつで。

 

好きなことややりたいことを探しているようじゃ、あっという間に老人になるだけだよね。

 

 

才能っていうとオカルトみたいに感じるかもしれない。