基本、断る。

いまどきの風潮なんだろうけど、最近、ポリティカルコレストネスというか、社会的な正しさというか、倫理的な真っ当と思われるものにものすごくこだわるよね。

実態はともかくとして、政治的なポリシーや、性的志向、人種、国籍、性別、宗教、いろんなプロフィールを尊重しましょうという考えかたは、田舎の中小企業でも理解してると思う。ダイバーシティというか、インクルージョンというか。

 

もちろん差別は悪だ。差別を無くする努力を辞めたら、きっとこの世界は滅びるんじゃないかとみんな思っている。

 

でも、自分のビジネスを考えた時、必ずしもダイバーシティやポリティカルコレクトネスが正解とは言えないと思ってる。批判浴びまくるだろうけど。

 

俺は商売で食えなかった時代が長かった。当時を振り返ると、決してサボっていたわけじゃない。むしろ朝から深夜まで、体力を削って仕事をしていた。でも自営業者だったので固定給があるわけじゃなく、全くの無給だった時期も結構ある。どうやってご飯食べていたのかって、自営業の人は分かると思うけど、経費を食っていただけ。月末の支払いに回す金を使ってしまい、月末には売上の回収サイクルを早めでなんとかする(笑)もう潰れるに決まってるよね。

 

そんな時代、俺の仕事のマインドは、乞食そのものだった。

仕事があればありがたくいただきます、値引きでもなんでもします、無理な納期でもやります、他と値段を比べてください、うちが絶対やすいです、うちはうまい早い安いです。そんなマインド。

そのくせ、客が値引きを要求したり、無理な注文を押し込んでくると、犠牲者ヅラをしていた。うちは零細事業者なんです、死んじゃいます・・・なんてね。

 

なんてことねえ、俺が全部悪いんだ。俺のマインドが。

 

結局その商売は破滅する前に廃業した。最後に支払いがたくさん残ったが、サラ金で借りて整理した。

その次にやった仕事も、実は同じことになった。いいのは最初だけで、最後は犠牲者ヅラ。いいもの売ってるのになんでそんなひどい扱い受けるのか、客がひどい、日本人ひどい、業種が悪い、そんな感じでまた廃業。

 

そこまでで30歳(笑)そんなアホなマインドで30歳になるとか終わってる。

 

そんなある日、業界でものすごい業績を上げる男の話を聞く機会があった。やっている作業内容は俺と変わらない。でもその男の年収は億単位だった。

彼は言った。「基本的に6割の客は面談も断るよ」

俺はびっくりしてまた聞く。「それは金がない客だから?」

彼が答える。「金は関係ない。自分が好きじゃないフィーリングの客はいなくていい。」

 

それを聞いて俺は呆れるとともに、すげえなあと思った。だって客を断れるなんて俺じゃありえない。客1人もいなくなるわって。安い早いうまいのアキラ商店だから。

それに、客に失礼じゃない?商売って、「できません」って言わないのが誠実でしょ?何でも「イエス!」が信頼じゃないの?頼まれごとは試されごとでしょ?って考えてた。

 

でも、今の俺は全く違っていて。基本的にやっぱり断る(笑)断るとトゲが立つときには、無能アピールをして諦めてもらう。

頼まれごとは、基本断る(笑)

まあ、怒られるし無能扱いされる。どこかできっと悪口言われているだろう。

実はそうすることによって商売は伸びていく。

 

仕事用のホームページは持たない、フラッシャーは作らない、事務所も持たない、紹介されても断ることがある、飛び込み客は完全お断り、連絡手段は電話のみでメールはない。

断る基準もない。金がないからって断らないし、金があっても断ることもある。断る基準があるとしたら、自分のフィーリングだけ。

 

そうすることで、仕事は激減した。一日の半分以上は暇。でも売上も年収も上がっていった。客層はありえないほどよくなり、毎日幸せに仕事ができる。

 

実は、断るっていうことをやり始めてから、仕事の運が上がっていったんだよね。

俺は元は困っていたのに仕事を頂いてありがたや~っていうのは当然あるんだけど、それでも断る。餓死しそうなときがあったからって、残さず食べるわけじゃないのと同じ。食べ物に困っていたから残さず食べますっていう老人がいたけど、糖尿になるよ。ちゃんと無理せず残してこそ健康でいられるでしょ。

 

値引きしろ?客じゃねえ出て行け。

今すぐ来い?デリヘルでも行かねえだろ、失せろ。

あっちの店が安い?そっちで買えよ。

なんで断るのかって?お前は客にしたくねえからだよ。

 

ダイバーシティもへったくれもない。その時の気分で誰でも断ることになる。俺に連絡しやすくはしない。俺の番号を知っている人に聞いてこいってことにする。

 

なぜそういうことをするのかって、簡単な法則。

自分と顧客の世界をハッピーで安全にするためだよ。俺がハッピーに出来ない人間は客じゃない。違う人間に頼めばいい。俺が出来ないことを求めてきても、俺はそれを無理にやって成長するとか考えない。出来ないものは出来ない。それで俺もハッピーになれないし、そこに時間を割くことで他の大勢の顧客がハッピーになれるわけがない。

 

その姿勢が、限られた顧客に支持される。基準があるとしたら、フィーリングっていうのは分かりづらいとしたら、みんながハッピーになれるかどうか、だよね。

 

お前がいたら、お前を含めてハッピーじゃなくなる。それは全員が不幸になる。

 

ダイバーシティの結果、本当にハッピーになれているかというとどうだろうね?

多様性なんか尊重されなかった時代、ファミレスで店員に怒鳴り散らす客なんか滅多に見なかったと思うんだよね。

 

誰でも尊重するとか、誰にでも平等にサービスを提供するとか、一見美しく見えるようで、ハッピーになれているかというと、違うようだね。

 

商売じゃなくたって、例えば受験勉強も、家庭生活も、

やらないことを決めたらうまくいくことって多いじゃない。全部やれたらいいんだろうけどそんなの無理なので。

同じことじゃないかな。

 

www.youtube.com