【コミュニケーション講座】伝えたいこと、伝わっていること、話し合うべきこと

またやります、不定期更新の「コミュニケーション講座」

 

今回のテーマは、「伝わっていること、伝えたいこと、話し合うべきこと」です。

 

これは年齢関係なく全世代にいますが、「相手に不安・不満をきちんと伝えられず勝手に病む」「勝手に病んで、最後はふてくされ無神経になる」という失敗を何度も繰り返す人がものすごく増えている気がします。

 

数年前もこの話題でこの講座を書いた気がしますが、最近はさらに遭遇することが増えました。

 

不満を感じた時のコミュニケーションってどういう感じでしょうか。

たぶんこうだと思います。

 

①他の人に不満があったり、不満を感じる

②相手と話し合って、自分の不満や不安が解消しようと思う

③伝え方や伝える内容を考える

④何度か話し合う

⑤改善・解消・許し

⑥信頼醸成

 

これが、人間関係のハードルを越えていくプロセスだと思います。

もちろんこれはストレスがかかります。現状に不満があるというストレスはもちろんですが、それを相手に伝えるという②と④のプロセスは恐怖を感じることがほとんどですね。だから、③の考えることも放棄・放置したくなります。

このストレスと恐怖感は、自分が抱える問題に対して「自分だけが我慢すればいい」という考えを持ちやすくなります。それが一番楽に思えるからです。

 

でもこの「我慢すればいい」とか「とりあえず先延ばしする」という考えは長くは持続しません。

「人が変わったようにキレる」「職場に勝手に来なくなる」「彼氏・彼女に対し着信拒否をする」「不満を態度で示すが話し合おうとしない」「何もかも面倒になる」「逃げる」というお決まりの結果になります。

 

最近は、喧嘩と議論の違いが分からない人が10代~20代を中心に増えていると思います。

「おともだち民主主義」が原因です。これは1990年代に大学生に対して言われ始めた現象で、俺も当時よく言われたのを覚えています。

教師や知らない人には反抗したり冷たくできるが、友達のグループで嫌われることを極度に恐れる状態のことです。数の論理を重んじ、自分には何人の味方がいるから安心、という感性を持っています。逆に言うと自分が少数派だったり一人だったりすると、不安になるのです。だから親しい人間ほど自分の不満をぶつけたりできなくなります。

 

「え?少数派は不安じゃない?孤立すると不安を感じるのは当たり前だろ?」と20代の人は言いますが、少数派と孤立=社会的に死亡、と考えているためでしょう。例えば俺なんかだと、自分が一人で孤立しても別に気にしません。もちろん不安と恐怖は感じます。でもそれで社会的に死亡はしないし、信用がなくなることもないのを知っているからです。自分のポリシーやステイタスを表現しているので、他人からの理解はむしろ増しています。

少数派でいたり、孤立してもいいと考えて表現していくのは、その場が大切だからこそです。

伝えたいことを伝わるまで言う。それが大人の信頼だと気づくのは俺も時間がかかりました。

 

おともだち民主主義の価値観で育つと、仲のいい人同士で不満や不安を伝えることが極めて難しくなります。

怒らせたらどうしよう、言い返されたらどうしよう、と考えてしまいます。

「なぜその時に相手と話し合わなかったの」と訊くと、「言ったけど強く言い返されて言えなかった」と言います。だから次からは黙っていた、と。

もっとひどいと、「怖いから最初から黙っていた、言えなかった」とまで言います。

 

そう、相手のせいなのです。自分の我慢が。

 

不安はカップルや夫婦ならいくらでもあります。もちろん人にはそれぞれ事情も背景も人間関係もあるので、突然そう言われると口論になることも多いのが当然です。でも、我慢するのではなく、何度でもしつこくそれを言った方がいいはずです。

自分はあなたとは違う考え方を持っている、今の自分は理解できない、納得できるように説明してくれるかそもそも辞めてほしい。そう何度も伝えることで、必ず人は変わっていきます。

 

たとえば、これは俺の知人女性の実例なんですが、1990年代のこと、婚約までした彼氏が彼女に無断に車を買いました。トヨタスープラでした。ご存知かもしれませんが、バブル末期の日本が生んだ大排気量のスポーツカーです。ファミリーカーとしての利便性はゼロで、燃費などの経済性もお話になりません。

これに彼女は驚きました。ローンで買うなら婚約者に相談があって当たり前だし、相談されてもそもそも将来子供も欲しいのでワンボックスカーにするべきだろうと思ったのです。

おそらくその間違った判断に幻滅してしまったのでしょう。彼女は彼氏本人に言わず自分の親に「婚約を破棄したい」と告げ、両親を通じてそれを伝えました。

当時、俺もまだ20代でしたが、びっくりしました。その知人女性に「親に言わせるんじゃなくて、ちゃんと彼氏と会って話し合えよ」と言ったのです。20代だし、男だし、自分が欲しい車を買ってしまっただけだろうと。ファミリーカーなんて若い男は欲しくないよと。

すると「買ってしまったものは仕方ない、結果は結果。言わなくても分かってないのは嫌。」と彼女は言います。

その卑怯さと幼稚さに俺も少し苛立ちました。

俺は、「二人で話し合って、スープラは今のうちに売却して、残ったローンをファミリーカーに上乗せして払っていけばいいだろ、そんな失敗も後になると笑い話になるって」と言ったのですが、彼女は彼氏と話し合いませんでした。

婚約破棄を親から聞くという、正直常識外れのブチ切れ方をされた彼氏は、何度も彼女と話し合いたいと言いましたが、親に拒否され叶いませんでした。

 

一年後にその彼女は親がセッティングした見合いをして、田舎の農協職員とあっけなく結婚しましたが、今度は立場が逆転してしまい、夫を徹底的に管理し奴隷のような扱いをするようになりました。

夫は自分の意見を言うことに恐怖を感じ始め、数年後にウツ状態に。職場ビルの屋上から頭から飛び降りて死んでしまいました。脳みそをぶちまけて。夫は、自分の意思で理容店に行くことも許されていなかったと周囲はあとで知りました。

 

この悲劇の原因は、そもそもスープラを買った婚約者と話し合うことから逃げて、ブチ切れ婚約破棄を押し通したところにさかのぼると思います。

彼女は気が弱かった娘時代から、突然モラハラ妻に変化してしまったのです。

すべて、上記に書いたプロセスを無視して突然ブチ切れるコミュニケーションをした結果です。

伝えたいことを伝える努力から逃げた人は、のちに必ず暴力的な人物になるというのが俺の経験から得た自論です。

 

死んだ夫は、スープラの犠牲になったとさえ言えます。

 

最近多いコミュニケーションはこんなです。

 

①他の人に不満があったり、不満を感じる

②話し合うのが怖いので自分の不満や不安を我慢する

③伝え方や伝える内容を考えることを放棄する

④不満がつのる

⑤突然ブチ切れる、無視する、相手を責める、謎かけで相手に文句を言う

⑥信頼崩壊

 

⑤の謎かけが特徴です。

はっきり言えないので、言葉の切れ端や中途半端な態度で「謎かけ」をするのです。

 

はっきり言わないけど察して、というやつですね。空気を読めと。

でも言ってるつもりで伝わってない、伝わらないのは相手のせい、ということです。

 

もちろん謎かけでコミュニケーションが成立したり、意思疎通ができると思ったら大間違いです。

あるいは、話し合いもしていないのに勝手に「オレ、決めたんだ」とか「わたし、決めちゃったんだけど」と結論を持ち込もうとする人。

 

他人に暴力をふるう人は、臆病な人ですよね。コミュニケーションでもそうで、臆病さは最後は他人へのひどい暴力コミュニケーションで終わります。

 

我慢できる範囲での仲良しなんて、それは他人と呼ぶんです。

敵対して危害を与えたいなら、別に話し合うつもりはないし、そうじゃないなら根気よく話し合うのが仲のいい人間関係ですね。

 

コミュニケーションは、

伝えたいこと

伝わっていること

話し合うべきこと

この3つを常に頭に置いて整合していくものなんです。

 

 それは多くはスムーズにいきません。特に考え方を伝えようとするときは。

だから、コミュニケーションで大切なのは根気。

 

自分の人生や生活が荒れるのは、この根気を放棄するからかもしれませんね。