「印象」そして「評価」という呪縛

いつの頃からか分からないが、日本人は「他人から評価されてなんぼのシステム」の中で子供時代を過ごしている。

 

テストの点数の順位

徒競走の順位

部活の地区大会、県大会、全国大会

レギュラー、補欠

ミス〇〇高校、ミスター〇〇高校

誰が可愛い、誰がイケメン

などなど、比較されて、順位をつけられて、表彰されて鼻が高くなって、偏差値に一喜一憂して、親に期待されて、そんな風に10代を過ごしている。

 

そんな中で特に厄介なのは、人間性や印象のような、基準が曖昧なもので他人から評価を受けること。

 

「A君を見習え、彼は一時間も早くに部活に来て体育館の床のモップ掛けをしている。A君のような人が成功するんだ。」とか。

 

「B美はとても印象のいい女子だね。ふわっとして可愛くて一緒にいたいって思わせてくれる。愛されキャラって得だよね。君も見習ったら?」とか。

 

別に一時間も早く部活に行っても強くはならないし、印象なんて人それぞれの感性でしかない。それを見習ったり比較されたりする筋合いは、本来ない。

 

でも、こうやって有形無形のものすべての事柄に対して評価を受けるシステムが強固に構築されているなかで、ぎゅうぎゅう言いながら育つのが日本人なんだと思う。

 

そんな背景があるので、日本人の多くはアメリカ的な「サクセスストーリー」や「努力論」が好きだ。アメリカンドリームと聞くと無条件に興奮する人が多い。

 

努力して金銭的に成功する。ハードワークをして成功者となる。ウィナーになれルーザーになるな。目標を強く念じろ、目標を紙に書いて冷蔵庫に貼れ、欲しい家や車やライフスタイルを写真にして車の中に貼れ、努力努力努力。目指すはミリオネアと名声だ。

成功したら称賛と羨望を浴びるステージで、いかに自分が努力してきたのかという美談を自分で語る。やればできるよ、やらないお前は負け犬だよ。

 

そんな価値観ね。だからトランプ大統領に好印象を持つ日本人が多い。

 

アメリカ人で、某有名なDJがこんなことを言っていた。

SNSの役割は、自分が目指す成功者の姿を見て、俺もやるぞ!と毎日自分を鼓舞することだ、と。

 

そんなわけねえだろwwと突っ込みたくなったが、DJという、自由な姿を売りにしているはずの人でさえ、「評価を受け成功する」という価値観から1ミリもはみ出していないんだなと驚く。

また、それを言うことで「いいことを言うね」と好印象を持たれるのかもしれない。

 

まあ、アメリカンドリームはともかくとして。

 

日本人は好印象を受けたい、受けねばならない、やるからには上位に入りたい、入賞したい、という呪縛に苦しんでいるんじゃないかと思う。

 

俺も例外なくそうだった。

貧しい生い立ちなので、人より成功願望が強かったと思う。その成功とは、他人に勝ちたいとか評価を受けたいとか、そういう価値基準だったのは間違いない。俺もそういうシステムの中で育ったわけだから。当然、成功=他人に勝つ、になっていたわけ。

 

でもいろんなところで書いたが、そういうマインドを持っていると実は全く成功しない。

うまく行くときもあるけれど、すぐに落ちぶれる。うまく行ってる感じを見せるために、不正をしなければならなくなる。チヤホヤされることが目標にすり替わってしまう。だから実際は赤字なのにフルローンで高級車に乗るようになってしまう。

破滅はゆっくりと、確実に近づいてくる。

 

ご存知かもしれないが、俺は一度ホームレスになった。

 

俺が人生を取り戻すきっかけとなったのが、エロの商売だった。エロの仕事では俺は挫折を知らない。失敗したことが一度もない。

だからエロに天賦の才能があると自認していたし、今もそう思っているが、実はそうじゃないんじゃないかとある時気づいた。

 

ここ、大切なところなのでマーカーペンで印をつけてください。テストに出ます。

 

エロの仕事は、想像できる通り誰からも評価はされない。

感謝もされない。

順位もない。

人から馬鹿にされたり、反社会的勢力だと思われ避けられる。

いくらお金を稼いで納税をしても、誰も成功者とは認めない。

何より、印象が悪い。

交際している女性にさえ正体を明かせない。

 

こういう、自分が育つ中で培った価値観のポジションを全部裏ごしするような場所にいたから、うまくいったんだと思う。

 

そんな仕事で稼いだ大金を使って、いろんな人に貢献できている。ボランティアが出来ている。家族や仲間を支えている。不自由のない生活が出来ている。

感謝はさほどされないが、人に貢献できることを誇りに思っている。

 

つまりね、人からの印象や評価はもう捨てようよ、ってこと。

 

人から「いい印象」を受けるために努力するのではなく、

自分が「いい」と思う「印象」に素直に従い、自分を「いい」と思える「毎日の過ごし方」をすればいいわけです。

 

他人からの印象や評価は、自分を助けてくれないともういい加減分かったほうがいい。気づいたほうがいい。

順位や入賞や表彰は、何一つ自分の問題を解決してくれない。それどころか自分の問題をさらに深刻にしてしまう。

 

借金を返すためにフルコミの営業マンになったのに、順位と表彰式に惑わされ虚栄心のために不正と借金を重ね、しまいには違法行為で逮捕されるおっさんは沢山いる。

 

いい印象を持ってほしくて似合いもしない流行りの服を買い込み、そんな自分が嫌になって断捨離とか言い出す女性も沢山いる。

 

自分がいいと思える選択肢を選んだ方がいいと思う。

それが他人から印象が悪くても、笑われても、蔑まれても、自分の人生を立ち上げることが出来るならそれでいいと思うんだけどね。